マイティガード
マドック刑事は無線をしまい、顔に影を落としたまま廊下へ出ていく。
「…おい、何がどうなってるんだ!?」
痺れを切らした使用人の一人が怒鳴る。
マドック刑事はひとつ息を吸い込むと、
「…館の使用人一名が殺害されました。
今回の犯人による犯行と見て、間違いはないでしょう。」
トレイシー警部に止められていた秘密を、使用人達に打ち明けた。
―――使用人達は命を狙われ慣れていないからな。―――
―――仮に予告状のことを知らせてみろ。全員が保身に走ってパニックになるぞ。そいつだけは避けたい…。―――
「………警部、申し訳ありません……。」