マイティガード


「み、皆さんっ、待って下さい!」

先導きって走り出した使用人達をなんとしてでも足止めしなくては。

そう思い声を上げるが、大人数の駆け足の音にいとも簡単に掻き消されてしまう。




しかして、それを一瞬にして諌(いさ)めたのは、




「止まりなさい、あなた達!
見苦しい真似をしないで!」



「っ!」

「…っ、ア、アネリ…お嬢様…!」


小さい体でありながら、皆の前に堂々と立つ主人…アネリだ。


その凛と通る声を聞き、使用人達は皆面白いくらいに揃って足を止める。

いつも自分達が世話してやってる、あんな小さい子供から、あんなに迫力ある一喝が飛び出すとは思わなかった。


皆、予想外の出来事に対する驚きで、逃げることを忘れているのだ。


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