マイティガード
「だけど、そんな状況でも合理的に冷静にそして保身的になりなさい。あなた達の得意技でしょ。
今後一歩も館から出てはだめ。警察の指示に従って行動して。
いい?あたしの命令は絶対に守らなきゃだめよ。
パパに仕える使用人ならね。」
その間、アネリは一切表情を変えなかった。
氷のような美しさすら感じる冷静な表情で、使用人達に命令を下した。
とても、13歳の少女とは思えない。
使用人達は初めこそ狼狽え、進むことも戻ることもしなかったが、
「………か、かしこまりました。お嬢…様。」
やがて絞り出すように、そう答えた。
呆気に取られる者や、どこか悔しげな者。反応は様々だ。
だが一貫して、
「……承知いたしました…。
…お嬢様。」
使用人達は全員、声に出して“お嬢様”と呼んだ。