マイティガード
一気に鎮静化された集団を誘導するのは簡単だった。
警官何人かに分かれて、使用人達に部屋で待機するよう指示を出す。
日中は普段通りに仕事をし(ただし外出は厳禁)、夜は速やかに部屋に戻ること。
そう説明を受けた使用人達は、さっきまでのパニックが嘘のように、それぞれの部屋へ戻って行った。
「ありがとうございます、アネリさん…。
私だけではどうにもできませんでした…。」
マドック刑事は、人が散ったあとの広々とした廊下の真ん中で、アネリにお礼を言う。
自分に情けなさを感じているのだろう。
彼の表情は浮かない。