マイティガード
「はい、喜んで。」
パーシバルは本当に嬉しそうに微笑み、アネリをその大きな腕の中に抱きかかえた。
体格差のせいか。こうなるといよいよアネリが幼児か何かに見えてくる。
眠い目をこするアネリ。そんな彼女の背中を優しく叩きながら、パーシバルは視線をマドック刑事に向けた。
「……………。」
その目は、とても冷たいものだった。
「…っ。」
だがそれも一瞬のことで、マドック刑事がひとつ瞬きをした後には、
「参りましょう、お嬢様。」
パーシバルは元来た道を真っ直ぐに戻って行く。
――こつん、こつん…
――こっ、…こっ……
眠りの世界に落ち始めているアネリのために極力抑えていた靴音も、やがて闇の中に溶けて消えていった。