マイティガード


しかし部屋に入ってきたのは、いつも食事を運んでくるメイドではなかった。

昨晩の彼女よりもずっと若く、ずっと痩せているメイドだ。


「ねえ、今まで運んできた人はどうしたの?」


当然疑問に思い訊ねると、メイドは背中に大きな金定規でも入れられたようにビシッと直立した。
アネリよりはいくつか年上なのに、やはり目上の立場の相手に緊張しているらしい。


「は、はいっ。ドリーさん……あ、いつも担当している者が体調を崩してしまいまして…。
体調が回復するまでの間、わたしがお嬢様のお食事を運ばせていただきます。」


「ふうん、そうなの…。」


アネリは納得した。
昨日の今日だ。心当たりは大いにある。

事件のショックのせいか、それともアネリに嫌味を言われて頭に血が昇ったせいか。


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