マイティガード
「お嬢様は本当に旦那様想いでいらっしゃいますね…。
私は従者として大変誇りに思います。」
「…別に褒めてほしくて言ったんじゃない。」
パーシバルのいつもの賛辞も、センチメンタルに入ってしまったアネリにはスルーする余裕もない。
いつも気丈なアネリが唯一不安定になる時。
それは、触れ合いの少ない実父ルロイの話が出た時。
いくら強気に振る舞ってみたところで、彼女はまだ13歳の甘えたい盛りの子供ということ。
「…あたしの命を狙う犯人を捕まえれば、パパがご褒美をくれる。
あたしはね、この休暇中に出来るだけたくさん犯人捕まえて、そしてパパにお願いするの。
“一日だけ一緒にいて”って。
…だからパーシバル、手伝ってくれる?」
さっきは命令だった。
だが今は違う。
アネリは純粋に、お願いしていた。
パーシバルを信じて。