マイティガード
アネリの大きな瞳と、パーシバルの陶酔した目がかちあう。
パーシバルは思った。
―――あぁ、お嬢様……。貴女様のお願いを私が断る理由がどこにありましょうか…。
気持ちがとめどなく溢れ出てくる。
だからせめてものつもりで、パーシバルはアネリの小さな手をそっと包み込むように握った。
「…もちろんです、アネリお嬢様。
貴女様のため、旦那様のため、このパーシバル…槍の雨の中、毒の火の中、身を粉にして尽力させていただきます。」
彼の得意な大袈裟な言い回しを、アネリは今回ばかりは受け流したりしなかった。
編んでもらったばかりの髪を揺らし、言うのだった。
「頼もしいわパーシバル。
不思議よね。あなたがいるだけであたし、不死にでもなったような気分になるわ。」