マイティガード
他愛ない会話をする二人。
使用人のいる屋敷から一歩出てしまえば、アネリを縛るものは何もない。
だからいつもより饒舌になる彼女が、パーシバルは嬉しかった。
ところで、夏休みを利用して別荘に来たせいもあって、二人は装備も何もないとてもラフな格好のまま外に出ていた。
子供のアネリは仕方ないとしても、従者兼護衛のパーシバルは相変わらずシャツとスラックス。
いつまた命を狙われるか分からないのに、これでは銃なり何なりで撃ってくださいと言ってるようなものだ。
しかしそこはパーシバルの領分。
「お嬢様、外にいる間は、なるべく私から離れないで下さいませ。
どうしても離れなければならない時は、“お守り”を胸ポケットに忍ばせておいて下さいね。」