マイティガード
パーシバルに連れられる形でアネリは一足先に部屋に戻ることにした。
現場のことは警察(プロ)に任せるのが一番だから。
浴場の入り口をくぐる際、
「…時に、お嬢様。」
オドワイヤーが口を開いた。
「なに?」
また無駄口を叩くつもりだろうか。
あまり期待はしないで、耳を傾けると、
彼はいつもに増して妙な話を始めたのだ。
「停電を起こす方法は、何も主電源を切るだけじゃあない。」
「?」
「うっかりとか、ついついとか、予期せず起こる停電もあるってことですな…。」
オドワイヤーは意味深にニヤニヤと笑う。
“予期せず起こる停電”?
―――それって……、
「昨日の停電のことを言ってるの?」