マイティガード
アネリが訊き返すも、
「…ハッハ、どうでしょうなぁ…。」
オドワイヤーはそうとぼけるだけだった。
いつもなら彼の軽口なんて一蹴するだろう。
だが今は状況が違う。
昨晩の不可解な停電の謎はまだハッキリしていないのだから。
「…先生、お嬢様の心労を増やすおつもりですか?」
苛立ちを覚え、パーシバルが凄む。
が、オドワイヤーはその程度のことで怯むような相手ではない。
横目で二人の姿を意地悪そうに見ながら更に軽口は続く。
「そうですとも。わしには分かりましたよ。
お嬢様がその尊大な頭で考えても分からんようなら、また明日わしの所へいらっしゃい。
…パーシバルの定期検診も近いことですしなぁ。」
「…………。」
アネリは黙ったまま相手を睨む。
パーシバルに至っては今にも噛み付きそうだ。
しかし怒りを表に出すことなく、静かに答える。
「ええ、じゃあその時はお願いするわ。
おやすみ、オドワイヤー。」