マイティガード
アネリはベッドから起き出すと、彼の額に手の平を乗せて熱が無いか確認した。
その優しい姿に感動を覚えつつ、パーシバルは心配させまいと穏やかな声を出す。
「ふふ…ご安心下さいませ、お嬢様。
私は病気にはなりません。」
「でも調子悪そうだわ…。」
アネリ自身、パーシバルのこんな姿を見るのは初めてだった。
普段は銃で撃たれても大量出血してもピンピンしているため、原因不明ならなおさら心配になってしまう。
「先生の診察をサボっていたから、罰が当たってしまったのかもしれませんね。」
パーシバルの心当たりはそれだ。
彼はいつも他の使用人より頻繁にオドワイヤーの検診を受けているのだが、ここしばらくはその検診もサボりがちになっている。
…理由はもちろんアネリの警護に専念することなのだが、本人に打ち明けるつもりはなかった。
―――もし打ち明けてしまえば、お嬢様はご自分を責めてしまうかもしれない…。