マイティガード
ただでさえ連日の事件で、幼い彼女にストレスになっているというのに。
パーシバルは「よし」と気合いを入れ、椅子から立ち上がる。
少しふらついたが、すぐに姿勢良く持ち直した。
「診てもらわなくて大丈夫?」
「はい。私には自分の身より、お嬢様の身をお護りする義務がございますので。」
「…………。」
キッパリとした言葉には反論できず、アネリはぐっと押し黙る。
アネリはアネリで、パーシバルの不調に心当たりを覚えていた。
―――あたしが休ませずに警護させたから……。
オドワイヤーにも、トレイシー警部にも言われたのに。
“パーシバルにあまり無理をさせるな”と。
初めはそれを言われる理由がよく分からなかったが、今なら分かる。
いくら超人じみていても、やはり彼も皆と同じように疲労は溜まるのだ。