マイティガード
パーシバルの言うお守りに、アネリはちゃんと覚えがあった。
ショルダーバッグの中をごそごそ探し、小さくて薄い、アルミ製のコンパクトのようなものを取り出す。
何の変哲もなければ何に使うのかも分からないそのお守り。
なぜかパーシバルはいつもこれを持つように言うのだった。
「ねえ、これ何なの?
鏡かと思ったけど違うみたいだし。記念メダルか何か?」
アネリが訊く。
すぐには答えは返って来ず、パーシバルは先にお守りを掬い上げ、それをアネリの胸ポケットにストンと落とした。
「これは私の代わりにお嬢様を護る盾でございますよ。」
「盾? ふーん…。」
まだよく分かっていないけれど、アネリはその答えで充分だと感じた。