マイティガード
そんな時だ。
脇道の草むらがガサガサと大きく音を立て、
「!」
身構えるパーシバルとアネリの前に、見知らぬ初老の男が立ちはだかった。
落ち窪んだ目とこけた頬。
明らかにやつれたその男の手にあるのは、警官が持っている物と同じ、小さめのピストル。
粗野な身なりに対してこれだけは新品同様なため、盗んだものだということはすぐに予想がついた。
「…う、動くな…っ!
テメェ…その顔、その髪…ッ、間違いねえ。リトル・レッド社の社長の娘だな…!?」
歯をがちがち震わせながら男が叫んだ。
リトル・レッド社。その名前を口にした時、彼の目に悲しいくらいの憎しみの炎がこもったのは明白。