マイティガード


犯人は銃を下ろすと同時に、口元を隠していた布を少しだけ下ろし…、


ニィ…、と、
不気味に微笑んだ。



パーシバルはその光景を目に焼き付けるも、動くことはできない。


「くッ…………!」


追い掛けてこないパーシバル。犯人はこれ幸いにと、銃を抱えて颯爽と木々の奥へ逃げて行ってしまった。



犯人のいなくなった草むらをなおも睨んで、パーシバルは唇を噛み締める。

しかしやがて、


「…オドワイヤー先生!」


狙撃されたオドワイヤーの元へ駆け寄った。



「……っ……ぐ、ぐぅ…!」


歯を食いしばり、苦しげに唸るオドワイヤー。
心臓を撃ち抜かれたのだ。残念だが長くはもたないだろう。


「………先生、私は…、私はどうすればいいのですか…。」



ついに堪えきれなくなり、パーシバルはとうとう押し殺していた声をもらした。


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