マイティガード


現代でも止むことのない紛争やテロ。

軍事兵器会社とは、そういった武装兵に武器を提供する、まるで貴族ご用達の帽子屋のようなもの。

無くてはならない間柄だが、その関係が深くなるということは同時に、最新式武装兵器で命を落とす人が増えるということ。

家族や友達や恋人を失った遺族が、恨みを抱くのも当然の流れだ。



初老の男は照準が定まらないほどブルブルと手を震わせている。

危なっかしくて見ていられないが、気を抜けばいつ撃たれるか分からない。

アネリは挑発する反面、男の動向を真剣に見定めようとする。


「戦争しやがる軍人どもは糞野郎だ!
だがな、奴らが使う武器さえ作られなきゃ、おれの娘は死なずに済んだ!!
てめぇの父親のせいで、何もかも目茶苦茶だ!!」


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