マイティガード
男の声が辺りに響き渡り、風も微かにビリビリと震えた。
アネリは気丈な表情を保って、男に確認する。
「だから腹いせにあたしを殺すのね?憎き社長のたった一人の子供だから。」
「ああ、そうだ。
お前に罪が無いのは知ってる。
だがおれの娘にも罪は無かった。これは妥当な報復だ。違うか?」
「ええ、そうね。
あなた物騒だけど本当に家族想いなのね。
そういう人って好きだわ、あたし。」
今まで無言無表情を貫いていたパーシバルが、アネリの最後の一言を聞いた時にだけピクリと反応した。
もちろんそんな小さな変化にはアネリも男も気付かない。