マイティガード
お嬢様のお許しを得たとたん、パーシバルはフリスビーを投げられた犬のように前へ駆け出した。
もちろん目先にあるのはフリスビーではなく、生きた人間だ。
武器を持つ人間だ。
「うわああぁぁぁぁ!!」
ピストルを少しも恐がらず接近してくるパーシバル。
その不気味な様子に男は思わず悲鳴を上げ、両手でしっかりピストルを握ると、その引き金を引いた。
耳をつんざく銃声がひとつ。
正確な目標を定めず放たれた弾は、
「…っ!」
パーシバルの左腕に命中。
「やっ…………、」
心の中で「やった」と叫んだ男は、更に引き金を引く。
何度も、何度も。
「…ツ、う…ッ。」
さっきの一発目に加えて更に四発。合わせて五発の銃弾は、すべてパーシバルに命中した。
左腕に二発。右足に一発。肩に一発。脇腹に一発。
すべてがパーシバルの体内に残ったまま。