マイティガード


パーシバルの声が聞こえなくなった。


『?』


振り返ったあたしの目に映ったのは、


…とても寂しげに、絵本を見つめるパーシバルの顔。




『パーシバル…?』


あたしが小さく声をかけると、


『………こうしてお姫様は救い出され、王子様と一緒に末永く、幸せに暮らしたのでした。

めでたし、めでたし。』


パーシバルは絵本を最後まできちんと読み、ゆっくり閉じる。

…そして、



『お嬢様。

そんなものは信じてはいけません。
“王子様”なんてどこにもいないのですよ。』



何を思ったのか、パーシバルはあたしにそう言い聞かせた。


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