マイティガード
「まさか二度も停電が起こるとはなぁ…。おかげで夕べは監視カメラが全滅だった。
…まぁ、今は電力が復旧したからいいんだがな。
しかしなんで一晩で回復したんだ?」
首を傾げるトレイシー警部。
復旧の理由が一人のメイドの働きと知らせたら、彼はどんな顔をするだろう。
「わたくしが直させていただきました。お役に立てたのなら光栄ですわ。」
なんとバネッサ自ら名乗りを上げた。
淡々とした様子。
自分の活躍を知らしめたいからというよりは、訊ねられたから答えただけのようだ。
だがトレイシー警部はポカンと口を開けて、
「……お嬢さん、あんたンとこの使用人達は何者なんだ?」
「ううん、別に?
普通の人達よ。」