マイティガード
だがまだアネリが狙われると決まったわけではない。多くの使用人達の警護も万全だ。
バネッサの働きのおかげでもう停電に悩まされることもなくなった。
あとは犯人を迎え撃つだけ。
これが最後。
アネリは表に出さないだけでかなり疲労していたが、それを皆に言って困らせるほど弱くはなかった。
「お嬢様、少々仮眠をとられてはいかがですか?
昨晩はあまり寝付けなかったでしょう?」
なぜ、パーシバルには分かってしまうのだろう。
アネリは「大丈夫」と短く返事をして、唯一の退屈しのぎにと用意されたたくさんの本のうち、一冊を手に取る。
しかし用意された本は小説や詩集などの娯楽ではなく、
歴史書や偉人伝、参考書、はたまた旧約聖書など、とても子供向けではない複雑なものばかりだった。