マイティガード
―――だからこんな年不相応な性格になってしまったのか…。
思っても、間違っても言わない。
傍らで番犬のように控えるパーシバルに攻撃されることが目に見えているからだ。
「……………。」
アネリが無言でページをめくる。
やはり本を楽しんでいる様子はない。乱読家という言葉がしっくりくる。
会話がまったく無い空間はひどく重苦しかった。
アネリは読書中。パーシバルは待機中なので喋るつもりは無い。バネッサに関しては丸一日無言でも平気そうだ。
だがマドック刑事はそうではない。
隅の椅子に腰掛け、どこか落ち着きなさそうに部屋の中をキョロキョロ。
「マドック様は落ち着きない方ですのね。」
「…………すみませんね。」
バネッサに嫌味に似た言葉をかけられた時は、さすがに頭にきたようだ。