マイティガード


脚を撃たれたせいでバランスを崩し、パーシバルはその場に倒れ込む。



傷口から夥(おびただ)しい量の血が流れ出ている。
パーシバルは呻くこともできず、ただその場に伏すだけ。


そんなパーシバルの脳天に、男は銃の狙いを定めた。



「ハ…、ハハ、馬鹿が。おれの邪魔をするから…おれの…。」

「……………。」


その気になれば一瞬で殺せるシチュエーションなのに、男は引き金を引かない。

だがその理由はすぐに分かった。



「お付きは役に立たなかったなガキ。てめぇはこれからたっぷりいたぶって殺してやる…。」


ピストルに残った最後の弾丸は、アネリのための一発。

照準をパーシバルからアネリへ移し、男は引き付けでも起こしたような笑いを立てた。


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