マイティガード


「私は……、」


パーシバルは声色を変えることなく、


――ビリ…ッ


銃弾の雨に晒されてズタズタになったシャツを破り捨てる。

どれだけ頑丈なのだろう。
腹部にはまったく弾が貫通した痕はない。だが問題は背中。


くるりと体の向きを変えたパーシバル。


やはり背中は無数の弾痕と血だらけで、直視できないほど酷い有様だ。



「……え………?」


が、マドックは傷の中に奇妙な物を見る。


“金属”だ。


めくれた皮膚の下に、白銀色の金属の板が見える。

更に別の傷口からは、赤いビニールで覆われた配線(コード)が覗いている。



“人間”ならそんなものを付ける必要がない。

では今目の前で、
皮膚の下に金属や配線を隠し持っているこの男は何なのか。


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