マイティガード



「…紹介が遅れましたね。
私はリトル・レッド社製の要人警護ロボット。
製品名『マイティガード』です。

個体名は『パーシバル』。
…これはアネリお嬢様からいただいた大切な名前です。」


現在置かれている状況は過酷なもの。

しかしそれすら感じさせず、パーシバルは深い深いお辞儀とともに自己紹介をした。


そのしなやかな身のこなしはどう見ても人間だ。
敵に対しても礼儀を欠かないところも。
アネリに、そっと熱い視線をやるところも。



「お嬢様っ…………。」


紹介を終えるとパーシバルは素早くアネリの傍へ駆け寄った。
歩く度に傷口から血が溢れるが痛みは無いらしい。


そもそも、それが本当に“血液”であるかも怪しいところだ。


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