マイティガード



「……マドック刑事、あなた本当はテロ組織の仲間だったんじゃない?」



「………っ………。」


アネリの締めの言葉はマドックの心に強く突き刺さった。



年齢的に事件当時のマドックはまだ銃も扱えないほどの子供。

つまりそれは彼がテロ集団の一員という意味ではなく、

武装兵の誰かの、家族だったのではないかという意味…。



「………本当に、おぞましいですよ、リトル・レッド社は…。

動く機械人形に、そんな……恐怖を見せない不気味な小娘を生み出すなんて……。」


口の中に溜まってきた血を吐き出し、右腕に手を添えながらマドックはよろよろと二人のほうへ歩き出す。

けれどその歩みは非常に遅い。今までの機敏さが嘘のように。

人間なら、怪我を負えばこうなるのが普通。


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