マイティガード



―――お嬢様…っ、お見苦しい姿を晒すこと、お許し下さい…!



「…がっ……!!」


信じられなかった。


パーシバルはとっさに大きく口を開け、飛んできた手榴弾を真っ直ぐ胃の中に送り込んでしまったのだ。



今まで手榴弾を食べた人間なんて見たことがない。

そこにいた全員が目を疑う中、パーシバルは両手で口を押さえる。


――ズン…ッ!!


直後に胃の中から鈍い音がした。

それが手榴弾の爆発だということは言うまでもないだろう。



パーシバルはゆっくり手を離す…。


「……あぁ、なんということでしょう…。
お嬢様のお毒見用に食べた料理が消し炭になってしまいました…。」


口の端から黒い煙を立ち上らせているが、パーシバル自体は無事だった。

被害があったといえば胃の中に収まっていた食べ物くらい。
外部もそうだが、一体彼の内部はどうなっているのだろう。


< 317 / 352 >

この作品をシェア

pagetop