マイティガード
引き金が引かれる寸前、
――っ!!
パーシバルが、銃を握る手元を真横から思いきり蹴った。
「ヅ…ゥッ…!!」
銃の金具が口の端を引っかけ、新しい傷と血を生む。
そのまま拳銃はマドックの手から離れ、部屋の隅へ飛ばされていった。
「……ア、ァァアァ…!!」
最後の手段を絶たれた瞬間、マドックは狂ったように襲い掛かってきた。
が、完全な丸腰のマドックが、パーシバルに勝てるはずもない。
パーシバルは奴の背後に回り、ただ一度。
――とんっ
手で、マドックの首筋を強く叩いた。
「……ッ、く……!!」
ぐにゃりと歪む視界。
脳みそがめちゃくちゃに揺られたような、気分の悪い感覚。
―――い、いやだ……ッ、私の、私の敵討ちはこんな…、こんな形で、終わるはずじゃなかったのに…!!
復讐も中途半端に終わり、自殺もできなかった。
自分がとんでもない恥さらしに思える。
それにすら抗えないまま、マドックはパーシバルの手刀によって呆気なく意識を失ってしまった…―――。