マイティガード
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『…父さん、兄さんも…行っちゃうのか?』
この日が来ることはずっと前から決まっていたことだ。
10歳になったばかりの幼いウィリス少年は、軍人のように体中を武器で固めた父と兄の背中を不安げに見送る。
父は言う。
『ああ、だが心配するな。俺達は必ず帰ってくるからな。
政府は残虐の度を超えてる。俺達が襲撃して分からせてやるんだ。
もう無差別な死刑はさせない。高い税金も奪わさせない。
ウィリス…。お前達子供の未来のために、父さんと兄さんは英雄になってくるよ。』
父の大きな手が、ウィリスの頭を撫でる。
『………うん、待ってるよ…。』
行かないで、とは言えなかった。
父と兄は家族と、無惨に死んでいった友達のために、テロに参加するのだから。