マイティガード


だから、アネリは思い立つ。


「パーシバル、本邸の直通電話と繋いでくれる?
パパに話があるの。」


「お安いご用です、お嬢様。」


するとパーシバルは、部屋に備え付けてある簡単な電話の受話器を取り、親機のボタンを押しはじめた。

それは電話番号よりもずっと長い番号。


「…お付きは何してるんだ?」


トレイシー警部が疑問に思って、近くに立っていたバネッサに訊ねると、

「!」

バネッサは一瞬驚いたような顔をした。


けれどすぐに無表情に戻る。


「お嬢様にもっとも信頼されているパーシバルには、暗号化された本邸の電話番号をリアルタイムで受信する機能があるのです。

なので直通電話を使わなくとも、普通の電話機での通話が可能ですわ。」


「じ…、受信…?
へぇ、難しそうだな…。」


< 328 / 352 >

この作品をシェア

pagetop