マイティガード
しかし、
「…でも、他のお願いするわ。
パーシバルがひどい怪我をしてるの。彼を治して。」
電話口のルロイと、隣に立つパーシバルが息を呑んだのは同時。
アネリは、パーシバルの風穴の開いた顔を横目で見ながら、
「…オドワイヤーが亡くなって、パーシバルを治せる人がいなくなっちゃったのよ。
パパにしか頼めないの。お願い…。」
切なげな声で懇願するアネリ。
ルロイは少し黙って、
《…そうか…。
オドワイヤーは専属医師兼、パーシバル達の整備士として長い間務めてくれていた。
アネリ、つらい気持ちはよく分かるよ。パパもつらい…。
……だがね、》
その時だ。
――こんこんこん…
部屋のドアがノックされる。
こんな時に一体誰だ。
ドアに一番近かったトレイシー警部はドアノブに手をかけて、来客を室内に招き入れる。