マイティガード


しかし、


「…でも、他のお願いするわ。

パーシバルがひどい怪我をしてるの。彼を治して。」



電話口のルロイと、隣に立つパーシバルが息を呑んだのは同時。

アネリは、パーシバルの風穴の開いた顔を横目で見ながら、


「…オドワイヤーが亡くなって、パーシバルを治せる人がいなくなっちゃったのよ。
パパにしか頼めないの。お願い…。」


切なげな声で懇願するアネリ。


ルロイは少し黙って、


《…そうか…。
オドワイヤーは専属医師兼、パーシバル達の整備士として長い間務めてくれていた。

アネリ、つらい気持ちはよく分かるよ。パパもつらい…。

……だがね、》


その時だ。



――こんこんこん…


部屋のドアがノックされる。

こんな時に一体誰だ。
ドアに一番近かったトレイシー警部はドアノブに手をかけて、来客を室内に招き入れる。


< 335 / 352 >

この作品をシェア

pagetop