マイティガード
ただし、幽霊でも見るような顔をして。
《オドワイヤーはマイティガード開発の第一人者だ。
彼自身が生前の“記憶”を試作品のボディに移さないことなど有り得るかい?》
部屋に入って来た男は、
白衣も、後退してきた白髪頭も顔も仕種も特徴もすべてを受け継いだ、
オドワイヤーの姿を完璧に模したマイティガードだった。
《オドワイヤーはよく言っていたんだ。
“生身の体が死ぬのは時間の問題。それならわしは一分一秒でも早く機械の体になりたい”とね。》
オドワイヤーとまったく同じ姿をしたそのロボットは、アネリに向かって深く深くお辞儀をした。
「可愛げがなくてそそっかしいお嬢様も、すぐ暴走するパーシバルも、わしが面倒を見ないといけませんなぁ。
…不本意だがね。」