マイティガード
オドワイヤーの余計な一言のせいで新しい傷を作らないよう細心の注意を払わざるを得なくなってしまった。
いい迷惑。
だがアネリにしてみれば、図らずもトレイシー警部の希望通りに、パーシバルが無茶な怪我をしないようになって好都合。
そんな調子で今日一日が何事もなく終わってくれればいいのだけど。
「お嬢様、髪をお結いしましょう。」
二人きりで廊下を歩いている時、パーシバルが笑顔でそう言った。
お節介な使用人に同じことを言われた時は冷たく拒否したアネリだが、
「うん、お願いね。」
パーシバルに対しては子供らしく素直にお願いするのだった。