マイティガード


当然メイドは気分が良いわけもない。
だが仕事優先だ。聞き流し、食事の準備を続けた。



しかしアネリはそれに必要以上の追い打ちをかける。



「あたしの近くに来て奇襲の巻き添えになるのはごめんなんでしょ?
ほら、早く逃げなさいな。
もし爆弾とか投げ込まれたら、刑事さんもあなたを庇い切れないわよ。」


マドック刑事はアネリの、警察と使用人への態度の差を初めて目の当たりにした。


普通なら逆であるべきじゃないのか?
国や法律に従順な警察よりも、自分に仕えてくれる使用人を信頼するべきでは?

…しかし目の前の少女は、毎日顔を合わせているはずの使用人に、明らかな敵意を見せている。


それも、得体の知れないパーシバルに対してではなく、全く害のなさそうなメイドに対して。


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