マイティガード
「………ッ、失礼、いたします…っ!」
メイドはもう我慢の限界だった。
食器や食事の皿をやや乱暴にテーブルに並べると、配膳車を押してただちに部屋を出て行ってしまった。
会釈のひとつもなく。
まるで冷たい嵐のようだった。
メイドを唖然と見送るマドック刑事をそのままに、
「お嬢様、念のため私が毒味を致しましょう。」
「ええ、お願いねパーシバル。」
二人は何事もなかったかのように食事を始めたのだった。
マドック刑事はやっとドアから視線を離し、見慣れた笑顔のアネリに対して問う。
「…アネリさん、なぜ使用人の方にあんなことを?
彼女は忠誠心を以て、貴女に仕えているのでは?」
「そんなわけない。」