惣。
「ふぅーん…それじゃ、穂群が家を呪ってるみたいだな」
渇いた口の端でやっと惣が笑う。
「え?あ…ああ…」
惣の声が耳に届き我に返る。
「じいちゃんも居なくなった訳だし…次が俺の番って事?」
「いや護りたかっただけだ…」
「そんなのは穂群の都合だろ?」
惣は声を荒げた。
「式神って…要は身代わりの事だよな?自分が傷付かない為の。護りたい…って奴等をそんな目に合わせて来たんだ?今まで全員?」
惣の言葉は止まらない。
それを受け止める様に穂群は聞いている
。
「…桜志郎殿…」
思わず口にした名前に惣が食い付く。
「誰だよ?そいつが穂群の護りたい奴だったのか?」
「違う…」
「今の俺がそいつに似てたんだろ…来いよ…」
ぐいぐいと穂群の腕を掴み部屋へ引き入れる。
先程までとは違う、怯えた様な瞳で穂群が惣を見る。
「惣…」
身体を硬くする穂群の頬や黒髪に触れながら惣が耳元で囁く。
「そいつには?抱かれたのか?だから忘れられないとか?」
「違う…そんな事…」
さらに身体を硬くした穂群が抗う。
「だよな。違うよな…もし、それなら穂群は俺の曾祖母の曾祖母の曾祖母…それ以上のご先祖様か?だったら…これ…一応は近親相姦になるのか?」
惣が笑うと穂群を押し倒す。
「そいつに愛されたかったんだろ?」
その言葉に穂群は抵抗をやめる。
「…桜志郎…殿…」
「あれ?無抵抗になっちゃって…図星?」
穂群の肌に触れて行く。
「… …」
真っ直ぐに自分を見つめる穂群に気付く。
しかし…
その瞳には惣は映っていない。
「…もう…いい…出て行けよ…さっさと…」
いたたまれなくなった惣が身体を離す。
「…惣…」
「…惣…」
穂群が瞼を開くと、そこには惣の姿がある。
「あ…起こした?」
「惣…」
「ん?何?何か欲しい?水?」
小声で惣が顔を近付ける。
「何も要らぬ…」
腕を伸ばした穂群は惣に絡み付く。
「あー。まだ熱があるね…穂群、熱いもん」
優しくたしなめながら惣が笑う。
「惣の…夢を見た…」
「俺の夢?」
「ああ…衣野と私の関係を話した時のだ…」
「うわ…アレか…それは熱も出ちゃうよな」
恥ずかしそうに惣が笑う。
「ああ…その後の事が思い出せぬ…」
少しだけ深く呼吸をして穂群が言う。
「そっか…じゃあ、もう少し寝ろよ…また、続き観るかも知れないだろ?」
瞼が重そうな穂群に告げる。
「そうだ…な…」
素直に従う穂群は瞳を閉じ、深い呼吸を始める。
(俺は忘れて無い…忘れられる訳無いだろ?)
そう言いながら、キャミソールが乗った穂群の白い肌の肩の袈裟斬りの様な傷跡に触れる。
渇いた口の端でやっと惣が笑う。
「え?あ…ああ…」
惣の声が耳に届き我に返る。
「じいちゃんも居なくなった訳だし…次が俺の番って事?」
「いや護りたかっただけだ…」
「そんなのは穂群の都合だろ?」
惣は声を荒げた。
「式神って…要は身代わりの事だよな?自分が傷付かない為の。護りたい…って奴等をそんな目に合わせて来たんだ?今まで全員?」
惣の言葉は止まらない。
それを受け止める様に穂群は聞いている
。
「…桜志郎殿…」
思わず口にした名前に惣が食い付く。
「誰だよ?そいつが穂群の護りたい奴だったのか?」
「違う…」
「今の俺がそいつに似てたんだろ…来いよ…」
ぐいぐいと穂群の腕を掴み部屋へ引き入れる。
先程までとは違う、怯えた様な瞳で穂群が惣を見る。
「惣…」
身体を硬くする穂群の頬や黒髪に触れながら惣が耳元で囁く。
「そいつには?抱かれたのか?だから忘れられないとか?」
「違う…そんな事…」
さらに身体を硬くした穂群が抗う。
「だよな。違うよな…もし、それなら穂群は俺の曾祖母の曾祖母の曾祖母…それ以上のご先祖様か?だったら…これ…一応は近親相姦になるのか?」
惣が笑うと穂群を押し倒す。
「そいつに愛されたかったんだろ?」
その言葉に穂群は抵抗をやめる。
「…桜志郎…殿…」
「あれ?無抵抗になっちゃって…図星?」
穂群の肌に触れて行く。
「… …」
真っ直ぐに自分を見つめる穂群に気付く。
しかし…
その瞳には惣は映っていない。
「…もう…いい…出て行けよ…さっさと…」
いたたまれなくなった惣が身体を離す。
「…惣…」
「…惣…」
穂群が瞼を開くと、そこには惣の姿がある。
「あ…起こした?」
「惣…」
「ん?何?何か欲しい?水?」
小声で惣が顔を近付ける。
「何も要らぬ…」
腕を伸ばした穂群は惣に絡み付く。
「あー。まだ熱があるね…穂群、熱いもん」
優しくたしなめながら惣が笑う。
「惣の…夢を見た…」
「俺の夢?」
「ああ…衣野と私の関係を話した時のだ…」
「うわ…アレか…それは熱も出ちゃうよな」
恥ずかしそうに惣が笑う。
「ああ…その後の事が思い出せぬ…」
少しだけ深く呼吸をして穂群が言う。
「そっか…じゃあ、もう少し寝ろよ…また、続き観るかも知れないだろ?」
瞼が重そうな穂群に告げる。
「そうだ…な…」
素直に従う穂群は瞳を閉じ、深い呼吸を始める。
(俺は忘れて無い…忘れられる訳無いだろ?)
そう言いながら、キャミソールが乗った穂群の白い肌の肩の袈裟斬りの様な傷跡に触れる。