危険なスキ ～不良くんのお気に入り～

それは、思ってもみなかった考えだ。

だって誰でもあんな状況からは逃げたいと思うから。



「考えてもみなかったって顔だな」

「……」

言い当てられて、黙ってしまう。

そんな私を、西園寺くんは一笑した。

「お人好し」


「―――なっ？」

私は思わず驚きの声を上げてしまう。

こんな状況に追い込んでるのは自分なのに、どういう神経してるの……？