危険なスキ ~不良くんのお気に入り~


それを確認した途端、2人がこちらに向かって走ってきた。

「……え、えっ!」

「―――行くぞ、寺島!」

「遥っ、とにかく逃げろ!」

混乱する私の両腕が2人に掴まれて、そのまま引っ張られ走らされる。






「はっ、はぁ、はっ……」

どれぐらい走ったか分からないけれど、気が付くとそこはひと気のない住宅街だった。

私達3人は大きく肩を揺らしながら呼吸を繰り返す。



しばらくしてようやく息が戻ってきた頃、西園寺くんが口を開いた。

「―――お前、どういうつもりだ」

そうして、陽二さんを睨みつける。

「どうもこうも、助けてやったんだろーが」

陽二さんも、同じ様に西園寺くんを睨む。



 
< 113 / 251 >

この作品をシェア

pagetop