危険なスキ ~不良くんのお気に入り~
それを確認した途端、2人がこちらに向かって走ってきた。
「……え、えっ!」
「―――行くぞ、寺島!」
「遥っ、とにかく逃げろ!」
混乱する私の両腕が2人に掴まれて、そのまま引っ張られ走らされる。
「はっ、はぁ、はっ……」
どれぐらい走ったか分からないけれど、気が付くとそこはひと気のない住宅街だった。
私達3人は大きく肩を揺らしながら呼吸を繰り返す。
しばらくしてようやく息が戻ってきた頃、西園寺くんが口を開いた。
「―――お前、どういうつもりだ」
そうして、陽二さんを睨みつける。
「どうもこうも、助けてやったんだろーが」
陽二さんも、同じ様に西園寺くんを睨む。