危険なスキ ~不良くんのお気に入り~
「誰が蘭高なんかに助け求めるかっつーの」
ちょ、ちょっと!
2人までケンカ始めないでっ。
私はオロオロと2人を見る。
「誰もテメェを助けた訳じゃねぇんだよ。遥に頼まれたからだろっ」
そこで、西園寺くんが険しい顔で私を見た。
うっ、矛先がこっちに……。
「そうなのか?寺島」
「だ、だって西園寺くんが心配で……」
私が慌ててそう言うと、西園寺くんは大きなため息をついた。
「それはともかく、『遥』呼ばわりはどういう事だ」
今度は陽二さんに鋭い目線をぶつける。
「テメェには関係ないだろが」
「よ、陽二さんっ」
私がそう言った途端、西園寺くんの目がチラッとこっちを見た。
うっ、怖い……。