危険なスキ ~不良くんのお気に入り~
「お前が『ヨウジ』か」
「そうだけど?」
2人が沈黙のまま睨み合う。
ど、どうしようっ……。
「や、止めて!」
空気に耐えられず、思わずそう叫んでから我に返った。
2人の視線が私を捉える。
西園寺くんがため息をついた。
「―――今日は、寺島に免じて許してやるよ」
こんな時でも上から目線の西園寺くん。
「テメェなんかの許しはいらねぇ」
陽二さんはそう言い捨てると、私に向かって笑いかけた。
「じゃあな、遥」
「あっ、ありがとう!陽二さん」
彼はそのまま手を振って去っていく。
後に残されたのは、西園寺くんと私。