危険なスキ ~不良くんのお気に入り~
「それについて話す気はねぇよ。今日は、獅龍のヤツらの事で来た」
赤い髪の人―――羽村さんがそう言うと、西園寺くんは疑問の表情を浮かべた。
羽村さんは西園寺くんに2つの提案を示した。
1つはしばらくの停戦協定。
もう1つは獅龍迅雷に対抗する為の、共同戦線。
「停戦も何も、ケンカふっかけてくるのはお前らだろが」
西園寺くんが呆れた様子で、苦々しくため息をつく。
「こっちは自分のテリトリー守ってるだけだ」
「……まぁ、停戦についちゃ置いておく。共同戦線に関しては乗っても損はねぇだろ?」
羽村さんはさして表情も変えず、そう進言する。