危険なスキ ~不良くんのお気に入り~




 次の日の朝、本当に西園寺くんは来なかった。



学校について教室に入ってみても、西園寺くんの姿は見当たらない。

私と登校するまでは遅刻の多かった彼だ。
きっと、今日は遅れてくるんだ。そう思った。



2時間目の途中で西園寺くんは姿を現した。

当然先生に文句を言われているけど、無視して自分の席に着く。

私の方は一度も見なかった。



授業が終わって、私は西園寺くんの所に行ってみた。

「……おはよう」

遠慮気味に声をかけてみると、彼はチラッとだけ視線をこちらに向けた。

「ああ」

けれど、そのまま黙ってしまう。

私はどうしたらいいのか分からなくなって、自分の席に戻った。



 
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