危険なスキ ~不良くんのお気に入り~
つのるばかりの想い
12月が近付いて、空気は冷たくなるばかり。
私はマフラーをギュッと巻きつけ、目的地に向かって歩いていた。
学校帰り、毎月読んでいる雑誌を買いに本屋さんへ行く。
友達と別れて1人歩く道は、色々と考え込んでしまう。
西園寺くんは、最近ずっとあの人といる所を見かける。
彼女は嘉川くんとも知り合いなのか、3人でとても親しげに話している日もあった。
私の心にあふれるのは疎外感。
「はぁ……」
気が付くとため息ばかりついてしまう。
うつむきながら歩いていると、後ろから走ってきた誰かとぶつかった。
「あ、わっ……」
よろけて、転けそうになる―――