危険なスキ ~不良くんのお気に入り~


「おい、寺島」

「……」

「て、ら、し、ま!」



事あるごとに、西園寺くんは私に話しかけてくる。

友達といても、用事をしててもお構いなしだ。

おかげで友達は最近寄り付かず、私と西園寺くんを遠巻きに見ている。



「……」

「なぁ、何で無視すんだよ」

今日の休み時間も西園寺くんは私に構う。

私は、そんな彼を見ないようにしながら目線を手元に落としていた。



 
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