危険なスキ ~不良くんのお気に入り~
工場跡に着くと、そこは見事に蘭高生だらけだった。
私は思わず、緊張に身を固めた。
「おう、来たか」
その中でも見知った姿を見付けて、何だかホッとしてしまう。
「羽村さん!お邪魔します」
私が頭を下げると、羽村さんは苦笑いを浮かべた。
「別にオレの家じゃねぇしな。それより、アレ渡してやれ」
羽村さんが近くにいた人に声をかけると、金髪の彼が私の手に柔らかい物をドサッと置いた。
「服……ですか?」
「ウチで小さめのヤツに借りたからだいたいサイズは合うだろ。あっちの部屋なら中から鍵かかるから」
着替えろって事なのかな?
陽二さんに案内されるまま、私は奥の部屋に向かった。