危険なスキ ~不良くんのお気に入り~
「誰のだよ」
「え?」
考えもしなかった質問に、私は思わず間抜けな声を出す。
「この服、誰のだ」
西園寺くんの眉間にシワが刻まれ、声が低くなる。
え?何?そんな怒る内容なの?
「……し、知らない。お仲間さんの中で小さめの人のだって」
渡してくれたのは金髪の人だったから、あの人のかな?
その人の顔を思い出そうとする。
「羽村か」
「ち、違うよ。多分金髪の人!」
「お前な、あいつらの中でチビなんて羽村しかいないだろ?」
……確かに。
羽村さん3年生だけど、私とあまり変わらないんだよね。
「ならいい、まだマシだ。ヨウジってヤツのだったら無理やりにでも剥いでやる所だけど」
私は思わず身の危険を感じて、身体をこわばらせる。