危険なスキ ~不良くんのお気に入り~
「……ふーん?」
西園寺くんは困ったとも呆れたとも判断のつかない顔をした。
「そんなに好きだって言うなら仕方ないな」
そう言って、ニヤリと笑う。
『誰を』とは言わなくても示している事が分かって、私は思わず顔が熱くなるのを感じた。
12月初めの冷えた空気を心地良く思う程に。
「……ま、それなら今回の事は許してやるよ」
相変わらず西園寺くんは上から目線だ。
「アリガトウゴザイマス……」
私が口先ばかりのお礼を言っても、満足そうに頷いている。
いつも通りの西園寺くんに、何だか嬉しさを感じてしまった。