危険なスキ ~不良くんのお気に入り~
俯いた私を見て、西園寺くんが怪訝な顔をする。
「―――寺島、何か知って……。そうか、真司のヤツだな」
西園寺くんは大きくため息をつく。
「えっ、違うよ!嘉川くんには何も聞いてないっ」
しまった!
教えてくれた事は内緒にしておいてって言われたのに!
墓穴を掘っちゃった。
私は必死で否定したけれど、西園寺くんは嘉川くんが話した事を確信していた。
「アイツ明日しめる」
「だ、ダメ!」
私は西園寺くんの腕をとる。
「ごめんなさい!私が無理やり聞いたの!西園寺くんが私を遠ざけた理由も、アイさんと西園寺くん達の関係の事も……」
一気にまくし立て、目をギュッと閉じて息吸い込む。
やっぱりいい気はしないよね。自分のいない所で自分の話なんて。