危険なスキ ~不良くんのお気に入り~
「―――で、ホントは何なんだ?」
呆れた顔のままの西園寺くんが、目で言えと威圧してくる。
「……っ」
い、言えない。
まさか昨日の『付き合おう』宣言が夢だったんじゃないかと悩んでたなんて、色んな意味で言えない!
だって、本当に夢だった場合は私がショックだし、そうじゃない場合は確実に怒られるから。
「……寺島、早いうちに吐いた方が身のためだぞ?」
そんな、刑事ドラマみたいな台詞吐かれても困るよ!
「強情だな……」
意地でも言おうとしない私にますます呆れた西園寺くんは、席を立つとおもむろに近付いてきた。
そして、私の耳元で小さくささやく。
「―――言わないと、ちゅーするぞ」
「なっ!」